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2005年7月 8日 (金)

現実逃避:Matthew Bourneの「愛と幻想のシルフィード」

今週は、尋常でないほど仕事が忙しく、コンサルファーム時代と同じ時間帯で、コンサルファーム時代よりも短時間に大量の分析やスライドを書く生活をしていました。

心を亡くすと書いて、忙しい。本当に心がどんどん空っぽになっていく気がして、これ以上同じスピードで同じクオリティの仕事ができないと思い、急遽、Matthew Bourneの世界に逃避することに決め、PCを抱え、6時にオフィスを飛び出して劇場に向かいました。

ロマンティック・バレエの古典的名作と呼ばれる「ラ・シルフィード」を今まで何度も観ていたので、Matthew Bourneの手にかかるとこれがどうなるのかがとても楽しみでした。

Matthewが得意とする"物語の骨格はそのままに、その時代・その土地の文化に根ざしたユニークなキャラクター設定を施す"手法を観てみたい!

「愛と幻想のシルフィード(原題:Highland
Fling)」
は、現代のスコットランドに舞台を移し、バーのトイレで主人公はドラッグで飛んでいるところからスタート。(詳細は、サイトを見てください。http://www.la-sylphide.info/) そして、妖精は、ピュアなのかと思いきや、服は薄汚れて、誘惑の仕方もドラッグの中の幻覚といった感じ。現代的な設定で、クラシックが有名だからなおさら、その差が浮き出てくるように思えました。

ネタバレするので、詳しくは書きませんが、最後は妖精に人間となって彼と一緒に暮らすことを迫ったことから、妖精を殺し、そして自分も死んでしまう悲劇が訪れます。ユーモアの中に現代人が持つひりひりとした痛みを表現されていた舞台で、最後の妖精が羽を切り取られて死んでいくところは、人間の傲慢さと、人間として生きることの痛みが伝わってきて、ぽろぽろと涙がこぼれてしまいました。

Matthew Bourneは、22歳でダンスをはじめ(←非常に遅いです)、そして演出家になったと聞き、スワン・レイクを観たときにもすごいと思いましたが、スワン・レイクの原点といわれるシルフィードはさらに良かったです。

現実逃避した甲斐がありました。今週末、これで仕事ががんばれます。

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